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ライフスタイル NEW 2025.07.19
憧れのバラの庭 中級編 後藤みどりさんがアドバイス
映える〟組み合わせに挑戦 家との一体感を作り出して
春から秋まで美しく華やかなバラが咲く庭は、多くの人の目を惹きつけます。
昨年3月に発行したジタクのシタク新聞掲載の「憧れのバラの庭(初級編)」では、鉢で育てるバラについて紹介。
憧れのバラの庭を目指して、栽培を楽しんでいる人もいるかもしれません。
今回はさらにステップアップし、中級編としてバラ苗専門店コマツガーデンの直営店「ロザ ヴェール」(昭和町上河東)代表の後藤みどりさんに、「バラを主役にした〝映える〟庭づくり」について教えてもらいました。
「中級というと、バラを育て始めて3年くらいでしょうか。品種の個性が分かってくるころですので、次のステップとしてどこに植えたら〝映えるか〟を考えてみたらいかがでしょう」。
後藤さんは、庭の主役となるバラを決め、他の植物と組み合わせて家とコーディネートすることを提案します。
立体感を出す仕立てを
まずはメインとなるバラを決めます。
主役となるバラは、「開花連続性」が高い品種を選ぶと良いでしょう。
花が咲く時期が長いので、メインとなる場所を華やかに彩ってくれます。
つるバラや半つるバラなど長く伸びるものを上手に使って立体感を出したり、台木をまっすぐに伸ばして上の部分だけに葉を茂らせ、花を咲かせるスタンダード仕立てのバラで個性を出したりするのもお勧めです。

つるバラや半つるバラは、オベリスクやトレリス、フェンス、はしごなどの躯体を活用して立体的に仕上げると庭に奥行きが出てきます。
壁にはわせて、家と庭の一体感を出すのも素敵ですが、この時は壁から30㌢ほど離し、通気よくさせるのがポイントです。
スタンダード仕立てのバラは、目線の高さに花が咲き、存在感があるので、玄関ポーチなどに対で配置すると素敵です。
スタンダード仕立てのバラは、高い空間に花を見せるために、地面をはうようなグリーンや花をコーディネートします。
主役が決まったら、わき役を選びます。組み合わせる花の色は、3色程度に抑えるのがポイントです。
主役のバラの花と大きさや形、質感が被らないように植物を選んでメリハリをつけましょう。
緑多用し主役引き立てて
色合わせに悩んだら、ピンクの濃淡や、白とクリームなど、同系色でまとめるのがお勧めです。
グランドカバーや背景に置くグリーンを多めの4~5割程度にし、グリーンの中にポイントとして花を入れる程度に配置すると、主役のバラが映えます。
コーディネートするのは、植物だけではありません。
きれいな石を置いてみたり、クルミの殻を敷いてみたりするなど、ちょっとした工夫で庭の雰囲気は変わりますので楽しみながら行いましょう。
コーディネートを考える時、スマートフォンなどで家の周りを撮影し、画像を見ながらどこに主役のバラを置いたらいいか、わき役の植物は何をどこに配置したらいいのかなど理想の庭をイメージするのが成功の秘訣です。
「写真を撮ってじっくり眺めていると、庭に立っているときには気がつかない部分が見えてきます」と後藤さん。
他の植物との相性や家とのバランス、家と庭の全体像を考え、主役となるバラが一番きれいに見えて、バラの生育に適した場所を考えます。
他の植物との組み合わせは、園芸本などを参考にしてみるのも手です。

後藤さんは「バラを育て始めてすぐの時は、いろいろな品種を楽しみたいという思いが強いと思います。
中級者になってきたら、庭と家との一体感を出すことを楽しんでほしいです」と話します。
お気に入りのイスを部屋のどこに配置しようか、壁紙を何にしようか―などと、インテリアをコーディネートするように、一つのバラをきれいに見せる庭づくりにチャレンジしてみてはいかがでしょう。