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ライフスタイル 2025.03.19
建物を引き立たせるシンボルツリー 選び方、お勧めを専門家がアドバイス

新居が完成したらどんな庭を造ろうか―と考える時、主役となるシンボルツリーを決めるとイメージがつかみやすくなります。象徴的な木の存在は建物を引き立てるだけでなく、緑のある暮らしを楽しめ、ヒーリング効果が得られます。シンボルツリーの選び方や山梨の気候に合うおすすめ品種を、中央造園土木(甲府市徳行1丁目)の今村尚人代表に聞きました。

―人気の樹種は。
シンボルツリーは、庭の「フォーカルポイント」(視線を集める場所)としての効果があり、選び方や植え方次第で家の印象を左右します。建物を美しく見せるだけでなく、外からの視線を遮ってプライバシーを守る目隠しや風よけなどの機能的な役割も期待できます。
樹木には一年を通して緑の葉を付ける常緑樹と、新緑や紅葉、落葉など四季折々の表情を楽しめる落葉樹があります。最近はナチュラルなデザインの建物が多いため、常緑樹だとオリーブやミモザアカシアなど葉色が美しく特徴的なものが人気で、落葉樹ではアオダモやイロハモミジのようにふわっとした柔らかい樹形が好まれています。シンボルツリーを選ぶ際には、常緑樹・落葉樹にこだわらず、建物や外構のテイストに合わせて好きな樹種を選び、サブツリーとのバランスを考えながらコーディネートしましょう。ココスヤシやソテツといった南国をイメージするような木も近年需要が増えていますが、山梨では盆地特有の特殊な気候のため、地域によっては生育が難しいものもあります。近隣にあまり見られない木を植えたい場合は、購入する前に専門家に相談してください。
―選び方の注意点を教えてください。
基本的には好きな樹種を選んで良いですが、その木がこれからどのように成長するかをイメージして選ぶことが大切です。大きく育ったら建物や電線にあたらないか、伸びた枝が道路や隣家に張り出して通行の妨げやトラブルにならないか、数年後の姿をイメージして樹種や植える位置を考えてください。南向きで日当たりの良い場所に日陰を好む樹種を植えてしまったら、樹木にとって大きなストレスになってしまいます。樹木を植えるときは、その植物がどのような環境を好むかが重要なので、原産地なども調べてみてください。

―サブツリーの選び方は。
シンボルツリーに合わせてサブツリーを選ぶ際には、建物とのバランスや全体的な調和を考えながら樹種を選ぶことが大切です。敷地の広さによって本数は限られてきますが、例えば、シンボルツリーが単木の常緑樹ならサブツリーは株立ちの落葉樹や葉形の異なる常緑樹、というように、メインとサブが同じような樹形にならないように選ぶのがポイントです。さらに低木類や草花など大小さまざまなものをバランス良く植えることで、庭が一層充実します。自身のライフスタイルも考慮しながら建物と植物をトータルで考えることで、庭のイメージや樹種もおのずと決まってくるかもしれません。

―お手入れについて。
植物は気候の変化が大きかったり、水やりなど日頃の管理がおろそかになってしまったりすると、さまざまなシグナルを出して自身の危機を知らせてくれます。だんだんと葉の色が変わったり、突然葉を落としてしまったり、そのシグナルは多種多様です。日々変化する自然環境の中で生育を維持していくためには、こまめに観察することが一番大切。水やりや外出時など、日常の中で少しでも目を向けてください。植物は手をかけた分だけちゃんと応えてくれます。もし手に負えないことがあれば、お気軽に専門家に相談を。失敗を恐れず、ためらうことなく、ガーデニングや植物のある暮らしを楽しんでください。

お勧めの樹種
【常緑樹】
●オリーブ…細長い楕円形の美しい銀葉が洋風の庭にピッタリ!原産地が地中海沿岸なので、日の当たる乾燥した場所を好みます。5月下旬~6月に黄白色の花が咲き、ほのかな甘い香りも楽しめます。剪定により樹形をコントロールしやすく、さまざまな場所で植栽が可能。強い日差しや乾燥に強く、丈夫で耐寒性もあり、虫がつきにくいので、初心者にお勧めです。開花時期が近い異なる品種を近くに植えると結実しやすくなり、採れた実は塩漬けやマリネなどで味わえます。
●シマトネリコ…一年を通して艶のある羽状複葉が茂り、涼しげで爽やかな印象を与えてくれます。株立ちにすることでふんわりとした樹形をつくれますが、放置すると10㍍以上成長することもあり、美しい樹形を保つにはこまめな整枝・剪定が欠かせません。暖地性の植物としては比較的耐寒性・耐陰性があるので、夏と冬の寒暖差が大きい山梨でも栽培可能です。
●ソヨゴ…濃緑の葉と10~11月につく赤い果実のコントラストが魅力。5~6月に白い小さい花が咲き、秋になると赤い実を付けます。風に揺れると聞こえる独特の葉音も特徴。成長がゆっくりで自然に樹形が整うため、お手入れが楽なことから人気があります。耐寒性が強く、夏の暑い日差しが苦手なので、直射日光があまり当たらない場所に植えましょう。
●ミモザアカシア…シルバーがかった葉と3~4月に咲く鮮やかな黄色の花が魅力。原産地が暖かい地域で日光を好むので、日当たりが良くて風が少なく、水はけの良い場所で乾燥気味に育てましょう。大きくなりすぎると困る場合は、開花後1~2カ月を目途に剪定してください。剪定した枝は花瓶や給水スポンジなどを利用して飾るのも良いでしょう。
【落葉樹】
●アオダモ…しなやかに立ち上がる樹形と薄く模様のある樹皮、明るい緑の羽状複葉が特徴で、近年特に人気の高い庭木の一つ。春になると小さな花が寄り添うように咲き、大変趣があります。幹は野球のバットに用いられているほど硬く粘りがあります。比較的乾燥に強く栽培しやすいため、洋風のナチュラルガーデンに最適。植え付けは3~7月・9月下旬~11月がお勧めです。
●ジューンベリー…6月に赤熟した果実が楽しめることから、この名が付きました。清楚な白い花や秋の紅葉が美しいガーデニングに人気の樹木。カナダ・北米が原産地なので耐寒性が強く、育てやすい小高木なので、初心者でも扱いやすい。
●ヤマボウシ…鹿の子模様の幹肌が美しく、6月中旬~7月中旬に白い花が咲き、8~9月に紅橙色の赤い果実をつけます。病害虫には比較的強いですが、カミキリムシの幼虫が発生することも。すす病を抑えるため、風通しの良い場所に植えましょう。
●イロハモミジ…日本の秋を彩り、新緑も美しい紅葉樹。寒暖差が大きいほど色づきが深く鮮やかになります。植栽のタイミングは落葉後、水はけが良く肥沃な土壌に植えましょう。コハウチワカエデも人気。