• ライフスタイル 2024.03.21

憧れのバラの庭(初級編)バラ専門家・後藤みどりさんがアドバイス

鉢植えで管理しやすく初心者向けの新品種続々

街中を散歩したり、ドライブしたりしていると、素敵なバラの庭を見かけることがあります。
華やかで香りの豊かなバラは、多くの人を惹きつける魅力があります。
バラ苗専門店コマツガーデンの直営店「ロザ ヴェール」(昭和町上河東)代表の後藤みどりさんによると、最近は病気や暑さなどに強い品種が増えており、初心者でも育てやすくなっているそうです。
後藤さんは「まずは鉢植えからチャレンジしてみてはいかがですか」と薦めています。

鉢植えのバラは、広い庭がなくても、玄関先やベランダなどで管理でき、華やかに飾ることができるのが魅力です。
鉢を並べれば花壇のようになります。置く場所を変えられ、将来的に庭に直接植えることを検討している人も、住まいの環境との相性が良いかどうかを試すこともできます。


病気や暑さに強いものも

最近は品種改良が進み、耐暑性が高く、病気に強い品種が増えています。
ほとんどが四季咲きや繰り返し咲きの品種で、暖冬の年は初冬まで何度も花を楽しめるのも魅力。
さらにはバラ用の土や肥料、薬剤、活力剤などが専門店やホームセンターなどで売られているので、初心者でも簡単にバラ栽培を始められるようになっています。
「肥料や消毒などは、商品に記載されている使用法の通りに使えば失敗することはありません。
初めの1、2年を丁寧に育てると、3年くらいで素晴らしい花を咲かせてくれます」と後藤さん。
自己流で育てずに、まずは丁寧に愛情込めて育てることが大切です。

植える鉢は、家の壁の色などに合わせて好みのものを選びましょう。
軽くて持ち運びやすいプラスチック素材の鉢は、通気性がなく熱を通しやすいのがデメリット。
使い込むほどに風合いが出る素焼きの鉢は、重くて割れやすいですが、通気性が良く根が育ちます。
和風の家には、陶器の鉢に植えても素敵です。
植える時期は葉がない冬季が適しています。
葉がある時期であれば、鉢から抜いた時に根と土が一体になった「根鉢」の状態が最適です。
日当たりはバラの生育を左右します。
日当たりが悪い場所で育てる場合は、半日陰でも育ちやすい品種を選びましょう。


こまめに観察、愛情込めて

ポイントは「水やり」「肥料」「病害虫対策」です。
水は土の表面が白っぽく乾いたら、根元にめがけてやさしくゆっくりとシャワーでかけます。
鉢の下から水が出てくるまでが目安です。
肥料はゆっくりと効果が上がる固形のものを選び、使用説明書の指示通りに与えます。

病害虫対策は日頃の観察が重要です。
コガネムシやカミキリムシなどの虫がついていないか、葉が変色していないかなどを確認します。
虫は捕殺し、土の中に卵を産んでいる可能性があるので顆粒の殺虫剤をまきます。
葉の病気には薬剤を散布します。
後藤さんは「3~10月はつぼみや葉を食べにくる虫がたくさんいます。
水やりの際によく見て対策を講じましょう」とアドバイスしています。

地植えする場合は、できるだけ日当たりが良い明るい場所を選びましょう。
つるバラの場合、つるを絡ませる躯体が必要です。
つるは自分から絡みませんので、どのように花を咲かせたいかをイメージすることが大事です。
高い場所での手入れも必要になるので、脚立が立てられるかどうかなども確認します。

枝葉が立派になってくるとせん定が必要になりますが、植えてから3年ほどは短くつめないようにします。
後藤さんは「咲いた花を切って飾ったり、ポプリやローズティーにしたりと、さまざまな楽しみ方ができるのがバラの魅力です。
まずは楽しみながら育てて、困ったら専門家に聞いてください」と話しています。


【バラの専門書を紹介】

人気の高いバラは、栽培法などを紹介した専門書も数多く出ています。
今回取材した後藤みどりさんの最新の著書を紹介します。

*いちばんていねいでやさしい 新版はじめてのバラづくり12か月*(家の光協会)

園芸初心者向けにバラ栽培の基礎を学ぶことができる本。
作業を12か月に分け、バラの生育に合わせて詳しく解説。
鉢植え、アーチ、壁面など仕立て別に合う品種を紹介する「仕立て別バラ図鑑」も掲載しています。

*鉢バラを楽しむ よくわかる剪定と育て方*(池田書店)

広い庭がなくてもベランダでも楽しめる鉢植えのバラ。
鉢植えに向く品種や鉢バラづくりのポイント、ブーケやポプリ、ローズティーなど暮らしを彩るバラの活用法を紹介しています。


DATA

バラ苗専門店コマツガーデンの直営店「ロザ ヴェール」

山梨県中巨摩郡昭和町上河東1323-2
電話055-287-8758

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