• ライフスタイル 2023.03.24

山梨のドライガーデンにおすすめの植物・土づくり

人気高まるドライガーデン 山梨に合う品種、手入れ方法は?

近年、乾燥地帯をイメージしたドライガーデン(写真①)の人気が高まっています。
ココスヤシやアガベ、多肉植物など個性あふれる植物を上手に組み合わせることで、広いスペースがなくても、おしゃれに見せることができるのが魅力です。
土づくりや手入れ方法、おすすめの品種などを専門家に聞きました。

写真①

ドライガーデンとは、乾燥に強い植物を使い、石や砂利を使って乾燥地域の自然を再現した庭のことです。
多くの施工を手掛けるプレイガーデン(中央市、武藤浩一社長)によると、4、5年前から人気が高まっている流行の庭のスタイルの一つで、特に洋風の住宅に合わせて取り入れるお宅が増えているそうです。


耐寒性ある品種がお薦め

乾燥地帯の庭と聞くと、山梨では管理が難しいと感じるかもしれませんが、実際は植物選びを失敗しなければ管理がしやすいのが特徴です。さらには狭いスペースでも、数種類の植物と石を組み合わせて素敵に仕上げることができます(写真②③)。

写真②

写真③

ドライガーデンに使用する植物はココスヤシやユッカ、アガベ、ソテツ、多肉植物などです。いずれも樹形や葉の形が個性的で、植えるだけで庭のおしゃれ度がアップする植物ですが、山梨では耐寒性がある品種を選ぶことがポイントとなります。

プレイガーデンの武藤実千男会長は「品種によっては氷点下7~10度の寒さや霜に耐えることができ、山梨での外植えに向いているものがありますので、選ぶ際の参考にしましょう。一方、雪に弱い植物が多いので、山梨で雪が多い地域では冬季に軒下や室内に移動できるように鉢植え(写真④⑤)にして楽しむのもお薦めです」とアドバイスしています。

写真④
写真⑤

人気のアガベはアメリカーナ華厳(写真⑥)やパリートランカータ(写真⑦)、パリー吉祥天錦(写真⑧)などの品種は耐寒性がありお薦めです。ユッカ(写真⑨)はロストラータ、グロリオサなど雪にも強い品種があります。

写真⑥
写真⑦
写真⑧
写真⑨

水はけの良い土づくりがポイント

ドライガーデンに向いているのは、南向きの日当たりのいい庭です。軒下であれば、霜が当たらないのでさらに良いでしょう。

水はけが良い場所が向いていますので、湿気が多い土の場合は軽石などを混ぜて土壌を改良したり、植えるところだけ土を盛り上げたりして植えるようにします。

武藤さんが薦める培養土の配合割合は、赤玉小粒3、軽石3、鹿沼小粒2、燻炭1、バーミキュライト1です。肥料を使用する場合は、緩効性の固形肥料を株の周りの土と混ぜてあげましょう。

乾燥を好む植物が多いので、地植えの場合、水やりはほとんどいりません。
雨が降らない日が続いた場合は、夏場であれば10日に1回程度、水やりを行います。
水滴がついた葉は日光によって焼けてしまう恐れがあるので、夕方に水やりをするのがポイントです。
品種にもよりますが、冬場は水やりをする必要はほぼありませんし、室内で鉢植えとして育てる場合は1カ月に1~2回程度、鉢の3分の1が湿る程度に上から水をかけましょう。


個性ある石で魅力アップ

植物に合わせる石(写真⑩)は、大きいものと小さいものを選んでメリハリをつけます。
山伏石やチャート石、ミカモ石などさまざまな種類がありますので、植物の雰囲気や家の壁の色や質感などと合うものを選ぶとよいでしょう。
植物の近くには化粧砂利を敷き、葉が痛む原因となる水はねや土はねを防ぎます。

写真⑩

植物同士は近づけすぎず、空間を開けて楽しむこともドライガーデンの魅力です。例えば一平方メートルの小さなスペースの場合、大きさにもよりますが3~4種類の植物を植えるのを目安にします。背丈の高いもの、低いもの、葉の色や形などを上手に組み合わせ、さらに大小さまざまな好みの石を選びながら庭づくりを楽しみましょう。

失敗しないシタク