• ライフスタイル 2022.04.05

効率的な掃除で快適な暮らし提案

マイホームはいつもきれいな状態にして、快適に過ごしたいものです。
家事代行サービスの「家事CON(コン)」甲府店長(中央市布施)で、特定非営利活動法人「ハウスキーピング協会」(東京)認定ハウスキーピングコーディネーター上級の資格を持ち、掃除のメソッドなどを教える講師を務める市川和男さんに、掃除のポイントや家をきれいに保つ心構えを教えてもらいました。


「プチ掃除」取り入れ、きれいな状態キープ

整理収納アドバイザーでもある市川さんは「掃除や整理収納の目的は、自分や周りの人が次に使うためのスタンバイ状態をつくることです」と説明します。
掃除や整理収納ができていないと、何かをしようとしたときに使うものが見つけられなかったり、家にお客さんを招こうとしても部屋が汚くてあきらめてしまったりして、余計な作業が増えるだけでなく生活スタイルが前向きでなくなってしまうことがあります。
そういったことがないように掃除・整理収納を習慣化することをアドバイスします。

市川さんは「1回使っただけでコンロ周りが油汚れでギトギトにこびりついてしまったり、浴室などがカビだらけになったりすることはありません。長い間見て見ぬふりをした結果です。トイレで誰もが使用後に必ず水を流すように、コンロは調理後、お風呂は入浴後すぐに対応すれば、水拭きやから拭きで済み、洗剤も不要になります」と指摘。
掃除は時間をかけて行うものと思い込まず、普段の行動のわずかな時間で行う「プチ掃除」を取り入れることで、無理せず時間もかけず、きれいな状態をキープできると言います。

使用後すぐに水拭き、掃除は5分以内で

具体的には①ウエットティッシュを常に準備しておき、使用後すぐに水拭きする(水回りは、から拭き仕上げが理想)②1回の掃除は5分以内、またはウエットティッシュ1枚分など、自分のルールを決めてスピーディーに行う③除菌シートを使えばコロナ対策も兼ねられる―といったポイントを挙げます。
ウエットティッシュを使うのは使用後そのまま捨てることができ、手間が省けるためです。
心構えについては「使う前よりきれいな状態にすることを心掛けるといいですね。例えば自分が3カ所汚した場合、3カ所のほかにもう1カ所きれいにすることで、使うたびにきれいになっていきます」と提案します。

市川さんは「汚れが進行しているのに見て見ぬふりをしている状態は、いつかきれいにしなければとストレスを抱えて生活していることになります。常にきれいな状態を保つため、思いついたらすぐに行動することを習慣にすることで、生活スタイルが前向きで快適になります。さらに大掃除や余分な洗剤が不要になり、経済的なメリットもあります。普段掃除をする時間がとれないという人ほど、使うたびに5分以内のプチ掃除を生活習慣にしてみてはいかがでしょうか」と勧めています。

動線は上から下、風上から風下が原則

市川さんは動線やスピードアップなど、掃除を効率化する方法も提案しています。
「掃除をする際、目に付いたところからやり始める方が多いと思われますが、動線が大切です」。
掃除をする動線の原則は①上から下に行う②風上から風下に行う③基点を決める―ことだといいます。

一般的には掃除機をかけるところから始めてしまいがちですが、テレビや棚の上などにほこりがたまっていた場合、ほこりを拭くと下に落ちて床が汚れてしまい二度手間になってしまいます。
まずは上を見上げて、上から順に掃除をし、最終的に床に取り掛かります。
また、ほこりが舞い戻ってしまわないように、空気が入ってくる風上から空気が出ていく風下に向かって掃除します。
広い部屋などでは、やり残してしまうところがないように、まず基点を決め、その基点からぐるりと掃除をすることもポイントだと言います。
 
家全体では水回りを除く場所をこの原則で行います。
水回りはキッチン、浴室などを先に行い、最後に使った掃除道具をすすぐ洗面所をきれいにすることで、無駄なく効率的な掃除ができます。

時間を図りスピードアップにも挑戦

また時短化するためのこつもアドバイスします。
掃除をする場合、途中で中断しないように、清掃用具はあらかじめ用意しておくことのほか、清掃時間を決めて行うことを勧めています。

ストップウォッチなどで5分を計測し、その間にどれだけの作業ができるのかを把握しておくことを提案。
「5分間あると結構いろいろなことができますよ。ペースを徐々に上げていって4分で同じ作業に挑戦してみるなど、ゲーム感覚で取り組むと、掃除をする気分も上がると思います。毎回行うことで、1、2分でもより多くのことができるようになります」

「酸性の汚れ、アルカリ性の汚れにはどのように対処するかといった、さまざまな方法がテレビなどでも紹介されていますが、まずは掃除の考え方を変えることが大事だと思います。日頃からプチ掃除を習慣付けることで、汚れは手軽に効率的に落とせますので、ぜひ心掛けてほしいと思います。その上で、動線や時短など、効率的でスピーディーな動きを身に付けるといいでしょう」


市川和男さん

家事代行サービス「家事CON(コン)」甲府店長(中央市布施)
特定非営利活動法人「ハウスキーピング協会」認定ハウスキーピングコーディネーター上級、整理収納アドバイザー1級

失敗しないシタク