• 間取り研究室 2023.03.24

L字型LDKを取り入れた間取り

広々とした印象を与えるL字型LDKを上手に取り入れた間取り例を紹介します。

L字型LDKの間取り例①

L字型LDKを取り入れた間取り

間取り例①は建坪約40坪の2階建て。家事効率の良さと、生活にゆとりを生む空間構成を軸に設計された4層構造(半地下、1階、中2階、2階)の間取りです。

大きな特徴はインナーテラスを囲むように配置されたL字型のLDK。ダイニングキッチン南側の開口からはインナーテラス越しの優しい光が取り込まれ、外部に視線が抜けることにより実際の大きさ以上にゆったりとした印象の空間になります。

アイランドキッチンの東側には吹き抜けでつながる半地下と中2階を配置しました。子どもの勉強スペースや遊び場として、大人の書斎や趣味室として、さまざまな用途に使える空間はあえて1階、2階とは床の高さを変えて配置することで、「半地下-1階-中2階-2階」と伸びやかな縦のつながりが生まれ、平面的な間取りにはない心地よい間を生み出します。

水回りは感染症予防など時代のニーズを取り入れ、帰宅時の手洗い動線と日常の洗濯動線を両立させる設計にしました。特にランドリールームは屋根のあるインナーテラスに隣接し、洗濯物を持って家の中を歩き回る必要の無い機能的な間取りとなっています。

L字型LDKの間取り例②

L字型LDKを取り入れた間取り

間取り例②は「子どもが成長して家を巣立った後も快適に暮らせる家」という施主さまの意向を基に、生活に必要な機能を一階に集約した間取りです。1階の建坪が35坪なのに対し、2階は9坪。1階から2階まで屋根を連続させることで平屋風の外観に仕上げました。

玄関は直接LDKに入る入り口とパントリーにつながる入り口をそれぞれ作る事で、買い物後にすぐにしまえる快適な動線を叶えています。

間口の広い敷地を生かし、LDKは東西に長い形状にしたことで1日を通して明るい空間になりました。間取り例①と同じように、こちらも半地下(和室)と中2階を配置しています。

子どもたちの勉強スペースを想定した中2階は、LDKにいる両親と互いに気配を感じる事が出来るよう、大きな吹き抜けで縦につながる間取りにしました。リビング上部が全て吹き抜けになる開放的な設計により豊かな立体感も演出しています。

また、リビング横の半地下へ降りる階段は部屋の横幅いっぱいに設計し、腰掛としても使ってもらえるようにしています。

収納とカウンターを設けたランドリールームは、インナーテラスとクローゼットを隣接させることで、「物干し→取り込み→アイロンかけ→収納」の一連の作業を1カ所で完結できる間取りにしています。

居室に関しては寝室をLDKからクローゼットを挟んで1階西端、子ども部屋をダイニングキッチン上部に配置することで、音への配慮もした設計にしています。

L字型LDKの間取り例③

L字型LDKを取り入れた間取り

間取り例③は30坪の平屋住宅。建築資材を含めた物価高を踏まえ、できるだけ出費を抑えて家を建てたいという方にもお勧めしたい間取りです。

家の中心はL字型のLDK。あえてリビングスペースをほかより少しだけ下げて設けたことで心地よい「こもり感」が生まれます。また、空間に立体感を与えることで平面的で単調な間取りにならないよう意識しています。

リビングとダイニングで囲まれた外部空間には床から連続した印象を与えられるよう、ウッドデッキを配置しました。室内と外部に連続性を与え、より広がりを感じられる設計になっています。

LDKの東側にはお風呂、物干しスペース、洗面脱衣室、トイレ、ウォークインクローゼットを直線状に配置。LDKを含めて回遊性を持たせ、主要な家事が一つの動線上で行えるようになっています。

LDK北側の洋室は将来子ども部屋にすることを想定しています。最初は一つの大きな部屋として使い、後から間仕切りを付ければ、二つの個室に分かれます。クローゼットの位置やコンセントの位置もあらかじめ配慮し、分割前、分割後どちらも快適に使えるよう設計しています。


柴田佳祐さん、小林徹也さん(檜家 設計部)

失敗しないシタク