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ジタクのシタク塾 NEW 2025.07.18
売り手と買い手の〝思い〟伝える NPO法人イエカラの取り組み紹介 特集・山梨の空き家の利活用 現状は?

原材料高で新築住宅の販売価格が上がっていることなどを背景に、中古住宅への関心が高まっています。
特に最近は、空き家を購入してリノベーションをする方法が注目を集め、DIYを楽しみながら理想のわが家を手にする人も増えています。
一方で全国的に空き家の増加が社会問題化しており、山梨県内でも住宅総数に占める空き家率は20%を超えています。山梨県内の空き家の状況や利活用の現状などについて調べました。
「アキヤマモリ」で空き家の管理をサポート
NPO法人イエカラ(甲府市・新井円代表理事)は、空き家の利活用を目的としたさまざまな事業を展開しています。
放置して荒れてしまう空き家を減らし、資産としての価値を維持するため、空き家の定期巡回を行う「アキヤマモリ」を実施。劣化によって障子が破れていたり、雑草が生えていたりして手入れが必要な場合には、依頼を受けた家主に連絡し、空き家や空き地の管理をサポートしています。
依頼があれば、修理や草取りなども受け付けます。
売り手と買い手の〝思い〟伝える
売り手と買い手のマッチングも進めています。
同法人のサイトの「偏愛不動産」では、「こんな人に使ってほしい」「こんな使い方をしてほしい」など一般的な不動産情報では発信しにくい所有者の思いにスポットを当て、物件の売り買いだけでなく、思いを含めた借主とのマッチングを進めています。
一方で、家を借りたい人の思いを発信するサイト「さかさま不動産」の「やまなし支局」として、借りたい・買いたい人がどんなふうに空き家を活用したいかを紹介。
借主を探している家主と繋げ、良好な関係づくりを後押しする活動を展開しています。空き家利用者の起業支援も並行して行っています。
ニーズを調査し適切な所に橋渡し
新井代表理事は、山梨への移住者が多く空き家へのニーズが高い一方で、空き家率が高い割に物件として出てくる空き家が少ない現状を指摘。
「所有者の多くは、誰にでも貸したい、売りたいと思っているわけではありません。
貸したい・売りたい人、借りたい・買いたい人それぞれの思いを聞き、行政や専門家など必要な所に橋渡ししていくことが私たちの役割だと思っています」と話しています。
イエカラのサイトはこちら
https://iekaras.org/