-
ジタクのシタク塾 NEW 2025.06.27
山梨県 独自の認定制度で “KAITEKI” な住まいを実現~前編

「やまなしKAITEKI住宅」認定制度 10月スタート!
山梨らしい「甲斐的(KAITEKI)」で「快適(KAITEKI)」なマイホームを建ててもらおうと、山梨県は独自の認定制度「やまなしKAITEKI住宅」を創設し、今年10月から申請の受け付けを開始します。
山梨県では、住宅を重要な社会インフラの一つとして位置づけ、長期間の居住や住み替えに対応できる良質な住宅を増やし、脱炭素化や空き家対策、人口減少対策につなげようと、昨年から建築関係団体や工務店などをメンバーとする部会で認定制度の検討を進めてきました。
そして、山梨特有の気候や自然環境の中でも高品質・高性能な住宅により良好な居住環境を確保できる「やまなしKAITEKI住宅指針2025」を策定。定められた性能基準をクリアすれば、甲斐的(KAITEKI)×快適(KAITEKI)でウェルビーイング(well-being)な暮らしが実現します。さらに、施工を山梨県内の業者に依頼すれば、新築は最大320万円、中古住宅は最大490万円の補助を受けることも可能に。
今回は「やまなしKAITEKI住宅」認定制度について、県建築住宅課の担当者に詳しく教えてもらいました。マイホームを建てたい!山梨に移住したい!もっと心地よい空間にリノベーションしたい!など、これから新築や増改築・改修を考えている方は、ブランドコンセプトや性能基準を知って、ぜひご自身の家づくりに生かしてください。
―「やまなしKAITEKI住宅」のコンセプトは?
県建築住宅課:「快適」を大きな柱として、安全・安心、健康、省エネ・再エネの積極導入による環境配慮などをコンセプトとしています。基本的にはどの世代にとっても快適な住宅を目指していますが、住宅を購入する年代は20代、30代、40代前半が多い傾向なので ‟子育て世代にとって暮らしやすい快適な住宅” もメインコンセプトの一つに掲げています。住宅の購入において、失敗や後悔をしてしまうケースもよくあると聞いています。失敗しない家づくりのために「性能を重視した快適な住宅」を提案しています。
4つのブランドコンセプト
(「やまなしKAITEKI住宅指針2025」より抜粋)
①安全・安心で ‟KAITEKI×KAITEKI”
豊かな住生活の根幹となる真の「安全・安心」を目指し、高い水準の安全性能を確保し、その性能が見える家づくり
②健康で ‟KAITEKI×KAITEKI”
住宅の断熱化と気密化を向上させることで、気温の日較差・年較差が大きい山梨の厳しい気候条件下でも温熱環境を安定化して健康維持に貢献する家づくり
③地域も地球も ‟KAITEKI×KAITEKI”
省エネルギー性能の確保や再生可能エネルギーの導入、県産木材の利用促進による地域循環、自然環境と地域景観にも配慮するなど、「地域も地球も救う」家づくり
④住まい手目線で ‟KAITEKI×KAITEKI”
高齢者世帯や子育て世帯、多世代同居世帯など、住まい手のさまざまな属性やライフスタイルに寄り添う住まい、特に子育て世帯の夢と希望を叶える快適な家づくり
―住宅性能にはどのような基準を設けていますか。
県建築住宅課:住宅の性能に関するところは、一般の生活者にとってはなかなか理解が難しい部分です。家づくりに関して、どうしても間取りやデザイン性に着目しがちですが、建物自体の性能について理解し、自身の住まいに反映していくことは重要なポイントです。
そのためにも、山梨県では、確かな技術を持つ設計・施⼯のプロたちを
「やまなしKAITEKI 住宅プランナー」(設計者)
「やまなしKAITEKI 住宅ビルダー」(施工者)
と位置づけ、依頼主に住宅の性能を理解してもらえるよう努めていきます。
5つの性能基準
(「やまなしKAITEKI住宅指針2025」より抜粋)
①長期優良住宅性能(基本性能)
良質な住宅ストックを将来へ受け継いでいくため、ハード面の性能(劣化対策や耐震性など)の向上と適切な維持管理を要求しています
②高省エネルギー性能(基本性能)
生活の質(QOL)の向上のために高水準な断熱性能・気密性能を基本性能とし、可能な限り⾼い省エネルギー性能を目指します
③ゼロエネルギー性能(付加性能)
年間の⼀次エネルギー消費量の収⽀がゼロとなる「ゼロエネルギー性能」を実現し、災害時のレジリエンス(復旧力・復興力)強化にも貢献するような各種設備の導⼊を勧めています
④地域資源循環性能(付加性能)
山梨の豊かな森林を次世代に継承していくため、県産⽊材の積極的な利⽤と森林資源の地域内循環を推進します
⑤子育て住環境性能(付加性能)
⼦どもの安全や家事・育児の負担軽減などを考慮し、バリアフリー性能を付加することで、将来は⾼齢者・障害者世帯向け住宅としての利⽤も期待できます

後編では、制度の詳細や申請の流れなどをお伝えします。