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ジタクのシタク塾 NEW 2024.11.23
檜家がアドバイス 断熱高め快適な暮らし実現へ
季節の移ろいに合わせて快適な暮らしを実現するために、ポイントとなるのが断熱です。電気代が高騰する中、光熱費を抑えるためにも断熱性能を高めたいものです。高断熱・高気密の家づくりを推奨する檜家(昭和町西条)に、断熱性能が高い快適な家づくりのこつを聞きました。
家の断熱性の高さを表す「断熱等性能等級」。等級は1~7段階あり、数字が大きいほど断熱性が高いことを示しています。住まいの断熱性を判断する上で等級を参考にする人も多いですが、窓を小さくしたり、少なくしたりすることで等級は上がる一方で、明るさや風通しが不十分になってしまう可能性も。檜家の担当者は「いたずらに等級の数字を追いかけてしまうと、快適さとはかけ離れてしまうこともあるので注意が必要です。断熱性能を上げながらも、明るく風通しの良い家づくりが理想です」と呼び掛けています。
同社は断熱のポイントとして「家のどこか一カ所ではなく、床、壁、屋根と家全体の断熱性能を上げること」を挙げています。吹き抜けやリビング横の階段などの設置を避けて断熱性能を上げる例もありますが、家全体の断熱性能を上げることで熱が対流して家全体を暖めることができるので、吹き抜けを作るなどの間取りの自由度も高まります。
足下から温かく
秋から冬にかけて、特につらいのが底冷えです。足元からの冷えを防ぐために重要なのが床下の断熱です。床下の断熱には床断熱と基礎断熱がありますが、同社では基礎断熱を勧めています。床のすぐ下に断熱材を敷く床断熱は、湿気を防ぐために通気パッキンを入れて換気口から外の空気が通る構造になっているため、冬場は冷気が入り込んでしまいます。一方で基礎断熱は、建物の基礎部分のコンクリートを断熱材で覆い、気密パッキンを入れて外気が入るのを防ぐ構造で、床下の冷えを抑えることが可能です。
同社の担当者は「気密を高めるのと同時に、確保しなければならないのが換気です」と話します。家の所々に小さな換気扇をつけて換気を行う方法がありますが、家の中の暖かい空気が出てしまったり、外から暑い空気や冷気が入ってきたりして、室内温度に影響を与えてしまうのがデメリットです。
熱交換換気システムで管理
同社は夏は暑い空気を冷まし、冬は冷気を温めて効率よく空気を送り込む熱交換換気システムの導入を推奨。同システムでは機械で入る空気と出る空気を管理し、床下、壁の内側、天井まで新鮮で適切な温度の空気を循環させて快適な住環境を実現しています。
窓選びも重要な要素になります。ペアガラスと3重のトリプルガラスの効果を比較すると、住む地域によってはトリプルガラスの方が光熱費が高いことが同社の試算で分かっています。同社の担当者は「トリプルガラスは3枚のうち2層が太陽の熱を跳ね返す層になっているのに対し、ペアガラスは2枚のうちの1層のみ。寒冷地では高い断熱効果を発揮するトリプルガラスも、冬場に自然から取り入れられる暖かい光を無駄にしてしまっているケースもあります」と説明します。家の南側にしっかりと軒を出して、夏場の高い日差しを遮り、冬場は低い日差しを家に取り込んだりして、快適に過ごす工夫も大切です。
断熱性能を高めることによるメリットとして、まず挙げられるのは家が簡単に温度変化しないことによる快適さです。さらに光熱費が抑えられることも大きな要素です。同社の担当者は「断熱性能を高めて100万円高い家を建てたとしても、月々の光熱費を抑えられればコストメリットが得られます。長期的な視点で家づくりを進め、快適に過ごしてください」とアドバイスしています。