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ジタクのシタク塾 2024.07.24
子どもの成長を見据えた家づくりとは? ~ライフスタイルに合わせて変化する家づくり~
ライフステージやライフスタイルの変化により、マイホームでの暮らし方は変わってきます。
子どもの成長や独立、家族の介護など、将来を見据えてマイホームの計画を立てたいものです。
ライフスタイルの変化に合わせながら、快適に暮らすためのポイントを専門家に聞きました。
成長に応じて部屋分ける 可変性を持たせた設計に
結婚や出産、子育てをきっかけにマイホームの購入を検討する場合、家族構成や子どもの年齢の変化などを見越してプランを作ることが大切です。
特に乳幼児期から小中高校生と子どもの成長段階に合わせて大きく変化するのが、「子ども部屋」です。
檜家(本社・中巨摩郡昭和町西条)は、子どもが小さいうちはのびのびと遊べるように大きなプレイルームのような空間を確保し、将来、子どもが成長したら部屋を分けることを提案しています。
「家を建てるときに、壁を作って子ども部屋を作る工事を計画していても、実際に壁を作る工事をする例は少ないです」と同社の担当者。
家の一部とはいえ、すでに生活している家の中で追加工事をするというのは、なかなか現実的ではないようです。
間仕切りに家具活用
その場合にお勧めなのが市販の間仕切り用クローゼットです。大きな空間を仕切るのに便利なアイテムで、最近ではさまざまなサイズやデザインがあるのが魅力。空間を仕切りながら収納も増やせるのもメリットです。
一度壁を作ってしまうとリフォームが大変ですが、間仕切り用クローゼットは可動式なので、子どもが巣立った時には移動させて広い部屋に戻すことも可能です。
子どもが小さいうちは、二段ベッドを置いて仕切るのも手です。
間取りを決めるときには、子ども部屋として個室が作れるように入口を2カ所用意しておきましょう。
間仕切り用のクローゼットの置き場所を想定し、通風や採光が悪くならないように、入口の扉が開く方向や窓の配置も検討します。
用途を限定しない空間を
一階のリビングにつなげて小さめの和室や畳の小上がりを作ったり、階段を上った部分にラウンジコーナーのような共有スペースを設けたりして、特定の用途に縛られない可変性を持たせた設計にすることもポイントです。
リビング横の和室や小上がりは、子どもが小さいうちは遊び場としても活用でき、キッチンやリビングから見えやすいので大人の目が届いて安心です。
将来、子どもが巣立ち、親世代が高齢になって階段の上り下りが大変になった時には寝室にすることもできます。
ウッドデッキや軒を設けて室内と外の間のスペースを作ると、子どもが小さいうちはプールを置くなどして遊び場として使えるほか、お茶やバーベキューを楽しむなど幅広く使えるのでお勧めです。
自立促す工夫も
子どもの自立を促す工夫も大切です。例えば、洗面所とランドリー、クローゼットをまとめると、外出先から帰ってきた子どもが手洗いをして着替える習慣を自然に身に付ける一助になります。
年頃になった時に備え、洗面スペースを二つにしたり、脱衣所と洗面所を分けたりするのも良いでしょう。
失敗しがちな例として同社の担当者が挙げるのが、リビングに子どもの学習スペースとして設けるカウンターです。
教科書や資料、プリントなどが広げられる広さを確保しないと使い勝手が悪くなり、無駄なスペースになってしまうこともあります。
「リビング学習をさせたいのであれば、ダイニングテーブルでも十分にできます。カウンターを設ける場合は、奥行きや幅がどの程度必要かをよく検討してください」と同社担当者はアドバイスしています。
リビングを通らないと二階に上がれないようにする設計は、「思春期の子どもとのコミュニケーションを確保できる」として子育て世代に人気です。
しかしながら、子どもが友達を招きにくかったり、友達が来た時に親がリビングでゆっくりくつろげなかったりするなど、デメリットもあるため、メリットとデメリットをよく理解した上で採用することを勧めています。