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ジタクのシタク塾 2021.12.21
団体信用生命保険(団信)って何?
団信は団体信用生命保険のこと
団体信用生命保険(団信)は住宅ローン契約時に加入する金融機関の保険で、契約者が死亡または高度障害状態になった時に、残りの住宅ローン返済が免除されるものです。従来は死亡または高度障害状態という条件でしたが、近年は幅広いニーズに応えることができるようになってきました。
がんと診断された場合のがん特約、がんを含む3大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)、7大疾病、8大疾病など、まとめて特約として付加する団信もあります。
例えば、ある特約では、死亡または高度障害状態になった時のほか、所定のがんと診断された場合や余命が6カ月以内と診断された場合などに保険金が支払われ、その時点の住宅ローン残高と相殺されます。
付加できる特約の内容や保険金が支払われる条件は取り扱う団体によってさまざまです。
いざという時に後悔しないよう、事前にしっかりと確認することをお勧めします。
特約を付加すると金利が上乗せされる場合もあるので、どの程度までリスクに備えるかを家族や専門家にも相談しながら検討するとよいでしょう。
フラット35で加入できる新機構団信
住宅ローンを借りる場合、団信に加入する必要があります。
一方で「フラット35」(民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の全期間固定金利住宅ローン)利用者が加入できる「新機構団体信用生命保険(新機構団信)」は、任意加入となります。
新機構団信には基本プランのほか、連帯債務のご夫婦向け「デュエット(夫婦連生団信)」や充実プランの「新3大疾病付機構団信」があります。
民間金融機関が提供する住宅ローンの一般団信に相当するのが新機構団信で、3大疾病保障に相当するのが新3大疾病保障になります。
一般的な金融機関の団信と新機構団信との違いは、死亡以外の保険金支払い事由が異なります。
一般団信では高度障害状態となったときに返済が免除となりますが、新機構団信は所定の身体障害となった場合に免除となります。
所定の身体障害とは身体障害者福祉法に定める障害の級別が1級または2級に該当し、身体障害者手帳の交付を受けたときに保険金が支払われます。
高度障害に比べると幅広い範囲のリスクに対応できます。
また一般団信の3大疾病団信は、がん・急性心筋梗塞・脳卒中になった場合が対象ですが、新機構団信の新3大疾病付機構団信は、さらに要介護状態も対象になるなど保障内容が充実しています。
デュエット(新3大疾病付機構団信の利用はできない)は連帯債務の夫婦どちらも保障対象となり、夫婦2人分のリスクに対応できます。
保障内容は費用対効果を考えて
住宅ローンを選ぶ際、目先の支払い金額ではなく、内容の充実度などを総合的に見比べることが大切です。
働けなくなった時に備えた就業不能保障など、商品は多様化していますが、保障が充実すれば金利や保証料は上乗せになります。
必要のない保障を付けることは無駄になるので、一番重点を置くところを決め、費用対効果を考えて選ぶことが大切です。
ジタクのシタク塾講師
三澤 恭子さん
ファイナンシャルプランナー
FPオフィス ライフエイド代表