• ジタクのシタク塾 2021.12.09

住宅ローンの契約は一人?夫婦で?どちらがいいの?

住宅ローンを契約する場合、

①夫または妻が単独で契約者となる
②ペアローンで夫婦それぞれが契約する
③夫婦で収入を合算して「連帯債務」または「連帯保証」で、1人が契約する

の3つの方法があります。

①夫または妻が単独で契約者となる

 単独で契約する場合のメリットは、夫が契約した場合、妻への負担がないことです。
ローン契約の際には「団体信用生命保険(団信)」に加入するので、夫が死亡または高度障害になったときにはローン残債の返済が免除され、妻に債務は残りません。
デメリットは、例えば共働きの場合は2人分の資金を合わせられないので住宅予算を上げられないことや、住宅ローン控除(10年間、住宅ローンの年末残高の1%が納税額※1 から減税される制度)の控除額が、少なくなる可能性があることです。

※1 納税額は住民税と所得税を合計した額。所得税から控除しきれなかった金額がある場合、翌年度の個人住民税(上限あり)で控除されます。

住宅ローン控除は、納税額以上の控除を受けることはできません。控除の上限額が納税額より小さければ満額控除されます(図のケース①)。
しかし、控除上限額が30万円で、その年の控除対象となる納税額が計20万円であれば、実際に控除される額は20万円になります(図のケース②)。
また、納税額、住宅ローン控除上限額ともに30万円でも、ふるさと納税などほかに控除の対象となる制度を併用している場合は控除額が納税額を上回ります。
例えば、ふるさと納税を確定申告すると、所得税と住民税の双方からの控除となります。
所得税はふるさと納税の控除が先で、その後住宅ローン控除となりますので所得税から控除しきれなかった場合、控除の不足額が住民税からの控除となります。
それでも控除し切れなかった分は、控除されません (図のケース③)。

ケース①

ケース②

ケース③

②ペアローンで夫婦それぞれが契約する 

1つの物件に対して夫婦それぞれが主債務者となって契約するペアローンの場合、住宅ローンは2本となり互いに相手の連帯保証人となります。
例えば共働きの夫婦では資金を合わせられるので住宅予算を上げられたり、 金利プランや返済期間など各々が選べたりすることもメリットです。
住宅ローン控除は夫婦ともに受けられ、団信にも夫婦とも加入できるので、いずれかが死亡または高度障害になった場合、配偶者に債務は残りません。
デメリットは、 事務手数料や印紙代など諸費用が2本分となってしまうことや、 一方の収入が減った時に返済が難しくなること、離婚時の財産分与の際の手続きが難しくなることが挙げられます。

③夫婦で収入を合算して「連帯保証」または「連帯債務」で、1人が契約する

 夫(主債務者)の収入に妻の 収入を合算して 1本の住宅ローンを契約する場合、「連帯債務」と「連帯保証」の2つがあります。 違いは、夫が契約した場合、妻が債務者の1人になるか、ならないかという点です。

連帯債務

連帯債務は、主債務者である夫と共に妻も債務者となり、それぞれが住宅ローンの返済義務を負うことになります。
夫婦ともに持ち分に応じて住宅ローン控除を受けられること、互いに住宅の所有権が持てることがメリットです。
デメリットは取り扱っている金融機関が限られていることです。
団信は原則、主となる債務者の夫のみ加入できますが、夫婦で加入できる商品もあります。

連帯保証

連帯保証は、夫の返済が滞った場合に連帯保証人である妻が住宅ローンの返済義務を負うことになります。
債務者が夫1人のため、住宅ローン控除は夫のみが受けられ、団信も夫のみが加入できます。
メリットは借入額の上限が増やせることで、デメリットは連帯保証人である妻に住宅の所有権や住宅ローン控除の適用はなく、団信にも加入できないことです。


住宅ローンの契約は単独か?夫婦か?どちらもメリットデメリットがあります。
ペアローンや収入合算した場合、借入金額が多くなり予算をアップすることもできますが、その分返済額も増えます。
返済途中で、どちらかの収入が減ってしまった場合にも柔軟に対応ができるよう余裕を持った返済計画が大切です。
また、住宅が共有名義になっている場合、単独名義で住宅ローンを組んだ場合に比べ、離婚時にトラブルが起きやすいことにも注意が必要です。

住宅ローンを契約する際、返済比率(年収に対する年間返済額の割合)を参考にすることもありますが、重要なのは年収ではなく可処分所得(手取り収入)で考えることです。
自己資金(頭金)の割合は一般的に2割必要といわれ、自己資金が多いと、金利が安くなる商品もあります。
住宅ローンは長く借り入れて繰り上げ返済することはできますが、当初借り入れた期間を延ばすことは難しいです。
将来何が起こるか分からないので、教育資金など今後必要なお金を試算した上で、住宅ローンを組むことが大切です。


ジタクのシタク塾講師

三澤 恭子さん

ファイナンシャルプランナー
FPオフィス ライフエイド代表

失敗しないシタク