• 間取り研究室 2021.12.09

中庭・ウッドデッキがある間取り

室内と室外の中間的なスペースは、住む人にとって非日常を楽しめる空間になります。
そんな役割を持たせた中庭やウッドデッキを取り入れた間取りの事例を紹介します。


間取りA・周囲の目を気にせず楽しめる

最初に紹介する間取りAは、1階南側の中央部分に中庭があります。
室内とは西側がダイニング、北側がリビングとつながっていて、東側が玄関前の土間の車庫と格子扉を使って行き来できます。
南側と、格子扉以外の東側は壁になっているので、外部からは見えません。
上部に屋根はありませんので、晴れた日には空の下でバーベキューなどが楽しめます。

1階は、お客さんが泊まりに来ることを想定し、玄関を挟んでLDKと和室が離れた構造で、LDK、和室双方からトイレや1階のシャワールームに行くことができます。
2階に浴室とサンルームがあるのも特徴で、洗濯から、干す、ウオークインクローゼットに収納するまでの流れを集約しました。
ウオークインクローゼットが階段で5段上がった場所にあり、さらに6段上がった先に屋根裏収納スペースもあります。


間取りB・屋根付きの特別な空間

次に紹介する間取りBは、玄関を開けると正面が一面ガラス張りとなっていて、家に入ると中庭が見渡せる造りになっています。
南側はウッドデッキを広く設置していて、中庭は建物とウッドデッキに囲まれた空間にあります。
ウッドデッキには屋根が付いていて、日差しの強い日や、雨天でも家族の遊び場として活用できます。

1階は、玄関を挟んで西側にLDKなど家族の生活スペース、東側に客間があります。
玄関西側のシューズクロークから洗面室、脱衣室、浴室までLDKを通らずに一直線で行くことができ、子どもが泥だらけで帰ってきても室内をなるべく汚さずに済みます。
2階は子ども部屋、寝室のほかにフリースペースがあり、壁やドアを増設することで追加の子ども部屋として使うこともできます。


間取りC・段差を活用した室内

最後に紹介する間取りCは、家の中心部にキッチンとダイニングがあり、南側に広めのウッドデッキを設けています。
ウッドデッキにはリビングからも出ることができます。

1階は、玄関、リビングから一段上がった高さにダイニングから先のスペースがあります。
畳コーナーは小上がりになっていて、その下もリビングから入れる床下部屋となっています。

洗面やランドリー室から入れる大き目のファミリークローゼット、外干しスペースなどを一カ所に集め、効率のいい家事動線も意識した間取りとなっています。
2階には主寝室と2部屋子ども部屋があります。


小川 太一さん

トイ建築設計事務所(韮崎市)
1級建築士

失敗しないシタク