USR HOUSE
■RC造の大改造リフォーム
もともと住宅兼診療所であったRC造の大改造リフォーム。建物の中身をほぼ総とっかえ、コストをおさせるために外観は極力手をつけず、クライアントが以前建築関係の仕事をしていたということもあり、屋根の防水は施主自らの分離発注で行った。RC造では、柱スパンが広いため、リフォームに伴って構造体の柱や壁をとったりせずに自由な計画ができる。リフォーム前の間取りは細かく部屋が仕切られたうえ、あちこちに段差があったり、壁がはがれおちていたり、断熱材もないという厳しい状況だった。また、工事を始める前に、施主自らも部分的な解体工事を行い、大幅なコストダウンに成功したことも特徴。
□モダンな雰囲気に
工事は、一旦スケルトン状態にリセットし、細かく仕切られた老朽化した和室はモダンな大空間へと変身。旧玄関は勝手口として、旧診療所の玄関は新しいすまいの玄関として組み替えて、どちらも深みのある木製の扉に付け替えた。旧診療所は土間のあるゲストルームとワークスペースに、狭く寒く冷たい脱衣場はガラスで仕切られたホテルライクなものに、そして、旧リビングは仕上げの変更にとどめてAVルームを隣接させた主寝室へと、劇的に大変身させた。各所でコンクリートの素材をそのまま現すことにより、モダンな雰囲気を演出しつつ、コスト削減に成功。ちなみに、和室を含むリビングの大空間は、空調を考慮して可動間仕切で3つに仕切れるようになっており、土間のあるゲストルームと廊下の間仕切りは解体前の和室のふすまをそのまま使用した。
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