SYR HOUSE

■空き家を、皆の居場所に
依頼主は、東京や甲府など南アルプスから離れて暮らす三姉妹。子ども時代を過ごし、20年近く空き家になっていた本家を親族から受け継ぎ、長く活用できる空間にしたいとのことだった。リノベーション前の旧家には35㎝角の立派なケヤキの大黒柱や24㎝角のえびす柱、曲線を描く松の木の梁や、焼けた縁側など、今となってはめずらしいものがたくさん残されていた。“昭和3年10月”の棟札が残る同所。「自分たちの思い出のある建物を残したいと思いました」という依頼主の想いに寄り添い、柱や梁、建具を可能な限り残し、面影を残したままのかたちを提案した。


□「いい工務店さんに巡り会えました」
養蚕所の面影を残す2階の雰囲気や田の字に区切られた広間の間取り、雪見窓などはそのままに、水回りや玄関などを暮らしやすくアップデート。真夏に漆喰を塗るDIYも行った。「リノベーションを行ったことで改めてこの建物の良さに気づくことができました。今からではお金をかけても実現しない建物を守ることができるのがリノベーションの良さ。現在築90余年。ここからまた100年過ごせるように強くしていただきました。代々、守り継いでいける憩いの場になってほしいと思います」とこちらの心が温まる感想をいただいた。

  • 構造木造
和室 和室
エントランス エントランス
エントランス エントランス
階段 階段
和室 和室
廊下とお手洗い 廊下とお手洗い
キッチン キッチン
縁側 縁側
二階 二階

失敗しないシタク