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間取り研究室 2025.03.21
「減築リフォーム」って何?

マイホームで使わなくなった部屋を壊したり、二階建てを平屋建てにしたりする「減築リフォーム」が注目されています。減築リフォームの特徴などについて、一級建築士で福祉住環境コーディネーター1級の資格を持つ伊東工務店(甲府市国母2丁目)の伊東誠三さんに聞きました。
家族構成や身体機能の変化などをきっかけに行うことが多い減築リフォーム。具体的には
➀2階建てを平屋にする
➁2階建ての1階または2階の一部を除去
➂平屋の一部を除去
➃2階建ての床面積を減らして吹き抜けを作る
⑤2階にロフトを作る
⑥使用しない部屋を縮小する
などの方法があります。
国土交通省「減築による地域性を継承した住宅・住環境の整備に関する研究」より
伊東さんによると、建物の状況にもよりますが、築年数がよほど古いものでなければ、減築リフォームを行うことが可能です。原材料高などにより、新築住宅の建築費が高騰する中、建て替えよりもコストを抑えられ、固定資産税も減額できることなどから、近年注目されています
減築リフォームのメリットは、階段の上がり下がりや移動、家事動線がスムーズにでき、けがのリスクが減ることです。耐震性や耐久性の向上、冷暖房の効率化による光熱費の削減、外壁の塗り替えなどのメンテナンスの負担軽減も見込めます。
一方で、施工範囲が多くなり費用がかかってしまうケースがあることや、床面積が減ることで登記申請が必要になることなどのデメリットも。伊東さんはメリット・デメリットを踏まえ、少しでも元気なうちに計画を立てて着手することを勧めています。
「せっかくリフォームをするのであれば、手すりの設置や段差解消を行って家の中での移動を容易にする工夫や、居間と浴室、トイレ、廊下などの家の中の温度差解消など、バリアフリーを十分に意識した計画づくりを進めましょう」と伊東さん。介護保険の活用のほか、最近では耐震化や省エネを目的としたリフォームに対する補助金もあるため活用することもできます。
マイホームに住み続けるか、シニア向け分譲マンションや有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などに移り住むか―。シニア世代にとって老後の住まいは、大きな関心事の一つです。伊東さんは「減築リフォームは、愛着のある家に住み続けられることや、住み慣れた地域に住み続けられるのが魅力です。終の棲家の選択肢の一つとして、検討してみてはいかがでしょうか」と話しています。
一級建築士
福祉住環境コーディネーター
伊東誠三さん